寄り添わせるもの

ネットや印刷物であらゆるものの追体験ができる今でも、絶対に伝わらないのが味覚と嗅覚と触覚だ。
料理という、行かないと追体験できない味覚と嗅覚について書くというのには、毎度なんとなく埋めがたい隔靴掻痒感がついてまわる。視覚でわかることももちろんあるけれど、それは料理の要素のわずかな部分にすぎないからだ。
それでもレストランについて、料理について書く人がこれだけ多いというのは、あらためて考えると、なんと因果なものかと思う。自分もだけど。
今回のil Pregio岩坪さんの料理は、そういうことを改めて思い出させるものがあった。
今日の主役は香り、見た目と食べた感じのギャップ。

ハクビシンの味

博多の四川料理店、巴蜀さんで新年に行われた食事会に呼んでいただき、二つ返事で博多へ飛んだ。
今回の会の隠れたテーマは「発酵調味料」。
だから、今回はスープも主役だ。
口に入れると、干し大根の香りが先に立ち、そのあとに柔らかい唐辛子や胡椒系の香り、その次にハクビシン独特の獣っぽい香りがくる。
ハクビシンの肉の味は、牛とも猪とも豚とも系統が違っていた。
脂の味は熊に似ている気がする。
食感は、少しねっとりしている。

一期一会の15皿 2015

2015年、幸運にも予約が取れて行くことができたレストランの中から、またいつか頂くことができればと願う料理を。 そのときの自分自身の体調・気分などのコンディションや訪れたときの季節などの変数によって料理を食べたときの印象 […]

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