2018アジアベストレストラン50、国・地域別の散らばりと雑感

3月27日、マカオでアジアのベストレストラン50の結果が発表された。
「世界のベストレストラン 50」の一部としてアジアでのランキングが始まったのが2013年なので、今年で6回目だ。

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今年の結果の概要をざっくりおさらい。

・今年のアジア1位は、4年連続、バンコクのGaggan

・日本勢は2位に昨年11位の「」が躍進し、以下11軒(昨年+2)。
龍吟は台北の祥雲龍吟がベスト50に新たにランクインしたことで、2軒受賞となった。
大阪の2つ星La Cimeがランキング初登場。17位でHIGHEST NEW ENTRY(新登場で最も上位)になった。
福岡の「ナチュール・ゴウ」は再登場組。

日本のレストランのランクインは以下の通り。
3位 FLORILEGE(東京)
6位 NARISAWA(東京)
9位 日本料理 龍吟(東京)
17位 LA CIME(Osaka, Japan)
20位 L’EFFERVESCENCE(東京)
27位 鮨 さいとう(東京)
28位 IL RISTORANTE LUCA FANTIN(東京)
34位 HAJIME(大阪)
38位 QUINTESSENCE(東京)
48位 LA MAISON DE LA NATURE GOH(福岡)

・最優秀パティシエ賞は、香港のCapriceのニコラ・ランベール氏
(昨年は、エスキスサンクの成田一世さんが受賞)

・Lifetime Achievement Awardは、8年間シェフだったシンガポールの「アンドレ(Andre)」を閉店したばかりのアンドレ・チャン氏。

・最優秀女性シェフ賞には、バンコク「ペースト(Paste)」のシェフ、ボンコック・ビー・サトンガン氏。

・50位までの国別の軒数は、昨年より1ヶ国減って11の国と地域となった。
軒数が最も多い国は日本の11軒。
そして日本以外でも、日本人のシェフの店が2軒ある。
TA VIE(香港・佐藤秀明さん)と翔雲龍吟(台湾・稗田良平さん)だ。

50位までのリストは公式サイトにも出ているので、ここでは、昨年同様、国と地域別に並べてみた。

Asia’s 50 Best Restaurants 2018 The Full List
(↓↑→は昨年との順位の相違、Nは新登場、Rは再登場)
——-日本 11軒——-
2. 傳(東京)↑
3. FLORILEGE(東京)↑
6. NARISAWA(東京)↑
9. 日本料理 龍吟(東京)↓
17. LA CIME(大阪)N HIGHEST NEW ENTRY
20. L’EFFERVESCENCE(東京)↓ SUSTAINABLE RESTAURANT AWARD
27. 鮨 さいとう(東京)↓
28. IL RISTORANTE LUCA FANTIN(東京)N
34. HAJIME(大阪)↑
38. QUINTESSENCE(東京)↓
48. LA MAISON DE LA NATURE GOH(福岡)R
——-タイ 9軒——-
1. GAGGAN(Bangkok, Thailand)↑ 
4. SUHRING(Bangkok, Thailand)↑
10. NAHM(Bangkok, Thailand)↓
14. LE DU(Bangkok, Thailand)↑
31. PASTE(Bangkok, Thailand)N
33. EAT ME(Bangkok, Thailand)↓
37. BO.LAN(Bangkok, Thailand)↓
39. ISSAYA SIAMESE CLUB(Bangkok, Thailand)↓
43. THE DINING ROOM AT THE HOUSE OF SATHORN(Bangkok, Thailand)↓
——-香港 9軒——-
7. AMBER(Hong Kong, China)↓
13. 8 1/2 OTTO E MEZZO BOMBANA(Hong Kong, China)↓
16. TA VIE(Hong Kong, China)↑
22. THE CHAIRMAN 大班樓(Hong Kong, China)↑ HIGHEST CLIMBER
24. LUNG KING HEEN 龍景軒(Hong Kong, China)↓
32. NEIGHBORHOOD(Hong Kong, China)N
40. Belon(Hong Kong, China)N
41. RONIN(Hong Kong, China)↑
46. CAPRICE(Hong Kong, China)R
——-シンガポール 7軒——-
5. ODETTE(Singapore) ↑
12. BURNT ENDS(Singapore)↓
23. WAKU GHIN(Singapore)↓
29. LES AMIS(Singapore)↓
36. CORNER HOUSE(Singapore)↓
44. JAAN(Singapore)↓
50. WHITEGRASS(Singapore)N
——-韓国 3軒——-
11. MINGLES(Seoul, Korea)↑
26. JUNGSIK(Seoul, Korea)↓
42. TOC TOC(Seoul, Korea)N
——-台湾 3軒——-
15. RAW(Taipei, Taiwan)↑
18. MUME(Taipei, Taiwan)↑ HIGHEST CLIMBER
47. SHOUN RYUGIN(Taipei, Taiwan)N
——-中国本土 2軒——-
8. ULTRAVIOLET BY PAUL PAIRET(Shanghai, China)→ The Art of Hospitality Award
30. FU HE HUI 福和慧(Shanghai, China)↑
——-インド 2軒——-
19. INDIAN ACCENT(New Delhi, India)↑
49. WASABI BY MORIMOTO(Mumbai, India)↓
——-スリランカ 2軒——-
25. MINISTRY OF CRAB(Colombo, Sri Lanka)↑
45. NIHONBASHI(Colombo, Sri Lanka)↑
——-インドネシア 1軒——-
21. LOCAVORE(Bali, Indonesia)↑
——-マカオ 1軒——-
35. JADE DRAGON(Macau, China)↓

ちなみに、昨年2017年のアジアベスト50の国別の軒数はこんな感じ。

———タイ 9軒
———シンガポール 9軒
———日本 9軒
——-香港 7軒
—韓国 3軒
—台湾 3軒
–中国本土 2軒
–スリランカ 2軒
–インド 2軒
–マカオ 2軒
-インドネシア 1軒
-フィリピン 1軒

昨年からランク外になったのは、以下の10軒。(順位は2017年のもの)
50軒のうち、1/5が入れ替わった形だ。
ANDRÉLE MOÛTなど、閉店したか、閉店が決定しているものも。

2. RESTAURANT ANDRÉ(Singapore)
27. TIPPLING CLUB(Singapore)
28. LE MOÛT(Taichung, Taiwan)
35. GALLERY VASK(Manila, Philippines)
38. LA YEON(Seoul, South Korea)
39. THE TASTING ROOM BY Galliot (Macau, China)
40. L’ATELIER DE JOËL ROBUCHON(Bangkok, Thailand)
41. L’ATELIER DE JOËL ROBUCHON(Hong Kong, China)
44. SHINJI BY KANESAKA(Singapore)
50. TAKAZAWA(東京)

ロブションの2軒が、そろってランク外になったのが目を引く。

世代交代/絶対評価と相対評価/観光大使として

日本国内でランクインした店の中で目を引くのは、何と言っても長谷川在佑さんの「」と川手寛康さんの「フロリレージュ」が2位、3位に飛び込んできたことだろう。

1つ1つの順位はそれほどの意味を持たないとしても、やはりトップ3の店は目立つ。
彼らが、これまで日本勢の筆頭だった山本征治さんの「龍吟」や成澤由浩さんの「NARISAWA」より上位に来たのでなおさらだ。
長谷川さん、川手さんは1978年生まれ、山本さんや成澤さんより8歳ほど若い世代だ。

それから、大阪のLa Cimeが17位に初登場し「HIGHEST NEW ENTRY」となったのも、ファンとしては個人的に嬉しい。

ベスト50の順位の算出方法は、審査員の投票による。
審査員が過去18ヶ月のうちにその店に実際に訪れていることが条件だから、上位に来るのは必然的に「人の口の端に上る店」「人気のある店」ということになる。
逆に、審査員のあいだで話題にならない、あるいは訪れる機会の少ない店は、上位に上がって来にくいということでもあり、その部分がこのランキングの特徴でもある。

そして、順位が大きく動いた方が、情報としてもイベントとしても面白く、価値も注目度も上がるのは当然のことだ。

順位というのは、相対的なものだ。
それは「ほかの店と比べて、どのくらいの位置にいるか」ということであって、その店が努力したから、味が良くなったから評価(順位)が上がるものでもない。
ミシュランやゴエミヨのように、1軒ごとの絶対評価のような星やトックの数で評価するのとは対象的だ。

味の善し悪しで順位が上下するというのでなければ、順位、あるいはランクインする・しないの境目は、シェフが社交的で、SNS使いがうまく、PRの能力に長けていればいいということになるのだろう。
好きなお店がランクインすれば自分のことのように嬉しいけれど、そんなランキングを続けていくことは、長い目で見てレストラン全体のレベルアップに本当に繋がっていくのだろうか?
どちらかといえば注目度優先で選ばれたレストランもあるかもしれない。
そんな店が今後、料理や味で残っていけるのだろうか。

ただこれも、見方を変えれば、別の側面が見えてくる。
つまりは、それぞれの店をその国の代表として見れば、それらの店を顕彰し、人々の目に触れることこそが、その国全体の食の魅力のPRに貢献しているという考え方だ。

このランキングを見るポイントになるのは、ここに入っているお店の多くは日本に限らず、それぞれの国の代表としてPRを自ら買って出て、世界へ足を運んでいる料理人がほとんどということです。2000人くらいの前で自身の料理哲学や新技術を発表する料理学会やシェフ同士の交流をするコラボレーション、海外のフェアなどを進んでおこなっています。その結果として、知名度が上がり、自身のお店に投票者が来て、投票をされることになります。(「Hajime」米田肇さん)

レストランがその国の観光大使としての役割を果たし、海外観光客の誘致に貢献している。
国をまたいだ移動が数十年前よりも格段に容易になり、ライバルが同じ県の…ではなく、別の国のレストランだったりする時代に、レストランのありかたも、いままた、少しずつ変わってきているのかもしれない。

2017年の感想


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