東京駅に香港がやってきた(香港ミニチュア展2017)

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2014年に池袋で行われた「香港ミニチュア展」が帰ってきました。

香港のミニチュアとは、香港の古い街並みや店舗などを、現物の1/50程度のサイズで作り上げたもの。
1点が20cm四方以下の小さめのものから、ビルまるごと、全体のサイズが1m近いものまでさまざま。

共通するのは、全てが現実のリアリティを追求して作り込まれていること。
商品の一つ一つに色を入れ、看板文字を入れ、電飾をつけ、実際にテレビが放映されているマッチ箱ほどのテレビもありました。
街並みは、古びた感じを出すためにわざと汚し、小さい商品にリアリティを出すために、顔料インクで一つ一つのパーツに色を付けているそうです。

会場には、全部で17名の作家の48点の作品が展示されています。
そのうち何点かをここでご紹介します。
(ところどころに実際の街並みの写真も入れています)

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報紙檔 (新聞・雑誌の売店)蔡璧龍・何國添
「新聞や雑誌・たばこを買いたいなら、飲茶の店に行けばよかった。店の前には必ず報紙檔があったからだ」。
飲茶の店は、現在は次第にショッピングモール内に移転し、報紙檔もコンビニに取って代わられ、減りつつあるそうですが、今でもまだあちこちで見ることができます。

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唐楼(中国式の低層建築)黎熾明
「唐楼」とは、近代暑気に中国南部でよく見られた様式の建築物で、1階が商店、2階以上が住宅となっているものが多いそうです。
この作品は、西環の海沿いに建つ唐楼を題材にしたもの。

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香港涼茶(漢方茶の専門店)黎熾明
「涼茶」とは、解毒と排熱の効果があるとされる漢方茶。街のいたるところにこのような店があり、店頭で立ち飲みをして去っていく様子が見られます。

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花墟一角(花市場の一角)李華蓮 日本初公開作品
旺角(モンコック)にある花市場をミニチュアにおさめました。
この街区には100軒近くの関連の店が軒を連ねており、生花や造花、鉢植えのグリーンや花束など、植物に関するものはなんでも揃う場所となっています。

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我愛香港街(わが街、香港)陳鴻輝 日本初公開作品
二階建てバス、ミニバス、原色の袖看板。
香港の典型的な街並みを再現しています。

香港という街の、原色の色の溢れ方や、キッチュで実際がおもちゃ箱のような感じになる特性が、ミニチュアになるとさらに際立ちます。
そういう意味では、香港はミニチュア映えする都市といえるかもしれません。

変わりゆく香港の「いま」を残す

今回展示されている香港ミニチュアの街並みや店は、今でも、香港のあちこちで見ることができます。
これを見て日本に住む私たちは、香港旅行のときに見た風景を思い出すものですが、実際に作成した作家さんたちの思いは、それとは別のところにあるようです。

パンフレットで作成の思いを読むと、その多くが、加速度を上げて変わりつつある香港の街並みをとどめておきたいというものでした。

黎熾明(トニー・ライ)氏
「香港の変化のペースはあまりに早く、建物の様子も日々変わっていきます。完成した作品を見ると、時が止まったように感じ、頭の中の記憶を現実に再現させることができるのだと感じました」

「(お年寄りに作品を見て「ここに住んでいたんだよ」と言われて)本当にうれしかった。香港人の記憶を形に残す手伝いができたのですから」
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香港ミニチュア展
2017.9.29(金)~10.9(月・祝) 11:00~21:00
KITTE marunouchi 1階アトリウム
主催 香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部
公園 香港政府観光局

制作のデモンストレーション
会場では来日されたミニチュア作家さんによるデモンストレーションも行われています。
10/1(日)10/7(土)~10/9(月・祝)各14:00~、16:00~
メインパネル前イベントスペース
各回1時間程度


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