「ミシュランガイド香港・マカオ2016」11/5発表。と雑感

11月5日、2016年版のミシュランガイド香港・マカオが発表になった。
hongkong_bay
対象地域は変わらず。

全店リストはミシュラン社には相変わらず下がってないが、Fine Dining Loversが珍しくプレスリリースをそのまま画像として載せていたのでそちらのリンクを。画像として貼れるほどで多くないしね。 
今年から、リストに漢字の店名が入って見やすくなった。 

軒数としては以下の通り。

◆2015(昨年)◆
3つ星
香港5・マカオ2

2つ星
香港14・マカオ2

1つ星
香港45・マカオ7

◆2016(今年)◆
3つ星
香港6・マカオ2

2つ星
香港14・マカオ4

1つ星
香港41・マカオ10

新しい3つ星が誕生。尖沙咀の唐閣。
ランガムホテルのダイニング。牡蠣のポルト酒煮のような名物料理が有名。ハコも込みの評価ということでは納得。何回か伺っているが、点心も湯も料理も良かった。
唐閣は星の増減が激しく、2008年版2つ星でスタートだったのが、途中1つ星に落ちていたらしい。昨年までに2つ星に復活していたのだった。8年で2→1→2→3と激動の星めぐり。

T'ang_Court_hk

ランガムホテルは、もう1軒、旺角にあるランガムプレイスに入っている明閣が今回2つ星。揃って昇格している。

新2つ星。
(香港)富臨飯店、明閣
(マカオ)譽瓏軒、御膳房

新1つ星は11軒。
追加されているのに総数が減っているということは、消えた店の異動はずいぶん激しいとわかる。
香港の新顔では
利苑酒家(觀塘)、
ON、
Qi、
北京樓(中環)、
Ta Vie。

「Ta Vie(旅)」は天空龍吟のシェフ出身の佐藤秀明さんがシェフのフレンチ。
オープン1年経たずに、早速1つ星を取っている。

◆以下、雑感◆

昨日、石井AQさんも書いておられる通り、香港のミシュランは、創刊当初(2009版)から、現地で定評がある広東料理店をほとんど載せていない。
福臨門湾仔店を1つ星に入れているのみで、九龍店は星すらなく、一昨年オープンの家全七福も華麗にスルー。
添好運の2支店とか、利苑酒家の5支店全部に1つ星をつける前に、他に重要な店はあるかと…。
鏞記(これは12年に1つ星を失っている)も、陸羽も、天香楼も、満福樓も、…相変わらず、無し。

Tim_Ho_Wan_hk

(↑撮影2013年。何かのイベントがあったわけではなく、通常営業の日に待っているお客さんの図。待ち時間は3時間は軽く超えると思う。
以前、iFCモールの店で待ち時間ほぼ無しだったことがあり、このときも空腹でふらっと行ってみたが甘かった。もちろん即時撤退w
いま添好運は台北やシンガポールなどに世界展開している。旺角に1店舗だけだった時代の味は影も無し……)

この香港でのミシュランの機能してなさ具合は、そのまま、太い客、馴染みの客、味のわかる客にしか本当に良いものは出さない香港独自の(言葉は悪いが)閉鎖性を映し出しているように見えてしまう。

しかし、これらの店だって、一見さんにも水準のもの(ミシュランの星に値するクオリティのもの)はちゃんと出すのだ。
選定方法は外の人間には知る由もないが、香港ミシュランは、西洋目線で評価できる店もこんだけあるんだぜ…というメッセージ本として刊行しているのか、と、ついうがった見方をしたくなる。

閑話休題。

今年は新たに、ビブグルマンのほかに「Street Food list」が追加された。
香港から23軒、マカオから12軒。
kai_kai_hongkong
佐敦にある「佳佳甜品」が入っている。さつまいもの煮込みの熱いデザートが名物。そういえば一昨年くらいに改装してきれいになったばかり。

ミシュランは、ストリートフードの項目で、香港やマカオの小吃を語るときに避けては通れない甜品の店を救ってくれたらしい。マカオの義順の牛乳プリンの本店や、エッグタルトで有名なLord Stow’s Bakeryなどが入っている。

Lord_Stow's_Bakery_Macau


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