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行きの機内映画では、わかりやすそうな日本映画を選択。
有川浩原作を映画化したもの。制作が電通、関西テレビに幻冬舎といかにもテレ画ですが、きっちり泣かされてしまいました(笑)
阪急宝塚線の7駅を通る車内で、世代も環境もバラバラな8人がふとしたきっかけで少しずつ関わりを持っていきます。同じ人間が電車内で数回偶然で会う事態はちょっとありえないのですが、8駅だけの短い路線を舞台にすることで現実味を与えています。
モチーフは、誰でもみんな持っている人生の「小さなやり切れなさ」の克服。
「人は人生の中で、死ぬほどつらいものでなくても、どうにもならないものを抱えて生きている。それは誰にも相談できない。誰かに言っても仕方ないと諦めるしかない。自分自身で解決するしかない」
登場する8人がみんなその思いを抱えていて、車内で出会った人との関わりによりそれを克服していきます。
結婚直前に彼を後輩に取られた女性が、傷心の車内で年配の女性の言葉で立ち直っていく。その彼女は、映画の後半で、同じように生きにくさを抱える小学生の女の子を助ける側に回ります。
そこに描かれているのは、他者による生きにくさへの共感。
どうにもならない悩みも、他者からの共感に触れることにより癒されていくという作者のメッセージだと読みました。
登場する8人のうち、7人が女性でした。
年代はさまざまですが、自ずから女の生きにくさが強くクローズアップされる内容になっています。
映画をご覧になった男性のご意見を伺いたいところです。
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阪急電車 片道15分の奇跡
2011 日本 119分 三宅喜重監督
幻冬舎 (2010-08-05)
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