映画「FINDING GASTON」と「Cooking up Dreams」料理が変えてゆく世界

東京ごはん映画祭(青山のシアターイメージフォーラムで開催中。10/24まで)に「FINDING GASTON」と「Cooking up Dreams」を見に行った。どちらもペルーの新しい食文化についてのドキュメンタリー映画。「FINDING〜」の方は、去る9月に行われたサンセバスチャン国際映画祭料理部門の受賞作品として国内初めての上映だ。→映画公式サイト

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「FINDING GASTON」では、今は料理人を超えてペルーの英雄ともみなされるガストン・アクリオの、祖国ペルーの食材への敬意や、ペルー文化を世界に伝えるための試みが描かれる。生産者との対話や学校での食育で、ペルーを変えようとする気概が伝わってくる。

ガストンの父親が政治家であることは初めて知った。
政治家を期待されながら料理人になった息子に、ガストンの父は、祖国に恩を返せ、初心に帰れ、今の境遇に満足するな、自分と同じ境遇を持たない人のことを常に考えよと教えたという。それがガストンの生き方の指針となっているようだ。
その言葉が彼の料理を、ヌーベルフランス料理からペルービアンに変えた。バターの使用量は50kgから2kgに、クリームも同様、一方、唐辛子の使用量は数十倍に増えたという。

ペルー国内に2万軒あるというセビーチェ店と、貧しいながら志高く働く漁師たちを、仲買人を通さず繋げて食のレベルを上げる試みや、授業料の安い料理学校の開設、ペルーの家庭料理を主婦に聞き取ってレストランのメニューに載せ、逆にその主婦にレストランのレシピを伝える試み。そこから、家庭料理にある一軒ごとの物語をすくい上げて料理として形にしようとする。
どれも、恵まれた環境を持たない人々に希望を与えるもので、たった1人で国をも変えていく行動力に敬意を覚えた。

「Cooking Up Dreams」では、ペルーが、500年の伝統とアマゾン河がもたらす魚や肉や野菜などの豊かな食材を持ちながら、国の貧富の差や整わないインフラが料理や質の向上を阻む現実と、そこを超えようとするペルーのレストランのシェフ達の結束が描かれていた。

貧しさや国の混乱から、政府に期待するごとに裏切られてきたペルー国民に、近年のペルー料理文化のイメージアップは希望と夢を与えているという。
ガストンの料理や試みがいま世界で注目されているのは、料理の力が世界を動かす力があることが、新しい潮流として今日の料理界に期待されているからなのかなと思う。

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